実際に行くまで”ぶた”と発音していました。正確には”ブダ”で、しかも後ろのパートは”ペシュト”と発音するらしいので、完璧に間違っておりました。しかしなんで”ブダ”なんでしょうか。ブダというとたいていの人がブッダの仏教を思い出しますよね。(私だけかも。)
いろいろ調べてみると、3つの語源が挙げられているようです。
1.ブレダ王の名前から名付けられた説
2.スラブ語の”水”を意味する”voda”からきた説、そして
3.人物の名前Budimirの短縮バージョンから名付けらた
はっきりとされていない所が面白いですね。信じたい方を信じてって感じですかね。
私は”水”バージョンがしっくりくるんじゃないかと思います。プダペシュトはなんといってもあのドナウ川あってこその都市だからです。そしてきっかけはどうであれ、ブダペシュトの歴史はローマ帝国の築いた街”アクインクム”から始まるからです。
スラブ語の”水”を意味する”voda”
今のブダペシュトの一番古い先住民としてはケルト人が記録されていますが、もちろんあのローマ帝国はここも例外なく侵略、ブダペシュトにも根付いて”アクインクム”と街の名前を付けました、ラテン語で”水”という意味です。1世紀(106年)のこと。
そしてスラブ語で”水”を意味する”Voda”が”ブダ”と発音することからそう呼ばれるようになったというわけですね。
ですが、この”Voda”の説は熱いようでそうでもないようです。なぜならハンガリーがスラブ民族圏にぎりぎり入っていないから。。。たぶんちょっとした影響はあると思うんですけどね。
ブレダ王の名前から
ブレダ王は4世紀ごろに存在した”フン族”の王様の一人。北アジア人と記録されていますね。東西ローマ帝国とかなり争った人で、ブダペシュトの侵略に成功したあとしばらく住み着いたんですね。なんでもブダペシュトの人々は自分たちをフン族の子孫だと思っているとか。なので王様の名前を取って、周辺の土地を”ブダ”と呼んでいる。とあります。
これもたぶん本当なんですよ、だってハンガリーの人は別の名をマジャル人と自分達で呼んでいます。ブダペシュトの街を歩くと”Magyars”(発音はマギヤー)のサインがあちらこちらで見られます。このマジャル人は先に上げたフン族の子孫だと言われています。なので周辺の町を王様の名前を取って呼んでいるのはわかる気がします。
でもですね、でもですね。フン族は北アジアの遊牧民族、モンゴル系だと言われているんですね。調べだすときりがないのですが、ハンガリーの人たちがどうしてもアジア人系にはどうも見えなくて、私にはあまりしっくりきませんが。。。これは次の説につながると思います。
人物の名前Budimirの短縮バージョン
2つの説をだらだらと書きましたが、実はBudimirという名前の短縮バージョンからきているというのが、広く受け入れられている語源です。 (Hungarian: Budamér) 人物の名前説には特定の人は挙げられていませんが、スラブ系の名前にとても多いようです。ブレダ王から始まって似たような名前を苗字にする人が出てきたんじゃないでしょうか。
日本の藤原家みたいなもんですかね、”藤”がつけばほとんどが藤原家の影響を受けていると言われていますし。
なにはともあれ仏教のブッダとはまーったく関係ないということです(苦笑)
さて、次は”pset”ペシュトの部分。

これには2つの語源が上げられています。
ひとつはスラブ語で”オーブン”または”洞窟”という意味の単語をとったもの。
ペシュト側に石灰石を焼いていた大きな釜(オーブン)があったからと言われています。(出てきた灰(粉?)は農業や建築用にも使われているようです。)
もうひとつの説は、またローマ帝国支配時の言い伝えで、今のペシュト側に要塞があった頃、プトレマイオスさん(たぶん天文学者)がその要塞を”ペッション”と呼んだからとありますね。ん~どっちも正しいんでしょうね。ローマ帝国は権威のある人がそうだと言えば絶対にそうですね、というような感じですから。
実は3つの街 ブダペシュト
一般的にドナウ川を拠点に西は”ブダ”、東を”ペシュト”と言われていますが、実は西側にはもう一つ”オーブダ”と呼ばれる街があり、
・オーブダ
・ブダ
・ペシュト
の3つを合わせてブダペシュトと決まったのです。1873年に統合されました。
ちなみにオーブダは”古いブダ”という意味。一緒じゃんとも思いましたが、隣のブダとは違うちゃんと独立した街だったので忘れてはいけません。
私はブダペシュトに辿り着いたその日までブダペストから”豚”と”病原菌”を連想して、わぁすごい名前の街だなぁと勝手に思っていたおバカ者です。
でも普通に現地の発音通りに”ペシュト”と表記してくれたらいいのにと思いました。国名は発音通りに表記されてるのに、(日本語のローマ字読みだと”フンガリー”ですよね?)首都の名前の発音はローマ字読みそのままです。
まぁそんなことはいいとして、何はともあれ、ブダペシュトはとーっても綺麗で清潔で、チャーミングな街でした。
観光客にもとても優しい街です。
